在日コリアンと精神障害―ライフヒストリーと社会環境的要因
によって 金泰泳
在日コリアンと精神障害―ライフヒストリーと社会環境的要因 pdf無料ダウンロード - 在日コリアンと精神障害―ライフヒストリーと社会環境的要因は必要な元帳です。 この美しい本は金泰泳によって作成されました。 実際、この本には208ページページあります。 在日コリアンと精神障害―ライフヒストリーと社会環境的要因は、晃洋書房; 四六版 (2017/3/30)の作成によりリリースされました。 在日コリアンと精神障害―ライフヒストリーと社会環境的要因の簡単なステップでオンラインで表示できます。 ただし、ラップトップ用に保管したい場合は、ここで保存できます。
内容紹介 「在日コリアン」を生きる4つのライフヒストリー 地域社会から孤立した生活を送っていたAさん、 在日であることを隠し続けたBさん、 日本人との「ハーフ」であり、セクシャルマイノリティでもあるCさん、 日本、韓国、朝鮮の政治状況に翻弄されたDさん。 その人生は、「精神障害」というスティグマをも背負い、日本社会のみならず、在日社会でも周縁化されてゆく。 目 次 はじめに 第I部 「在日コリアン」を生きる――四つのライフヒストリー―― 1.Aさんのライフヒストリー 最初の入院時の経緯/家庭環境/地域社会からの孤立と民族団体との出会い/「ゲームの世界」 2.Bさんのライフヒストリー 家庭環境/「在日朝鮮人」の自覚/学校教育の思い出/病気の自覚/自殺企図 3.Cさんのライフヒストリー 家庭環境/「日韓ハーフ」の発覚と性的違和の自覚/在日コリアン差別の自覚/複雑なアイデンティティ/「マイノリティ中のマイノリティ」 4.Dさんのライフヒストリー 家庭環境/きびしい差別と過酷な生活/学校教育の経験とネガティブなアイデンティティの形成/大学進学と民族コミュニティとの出会い/民族団体の仕事と精神疾患の発症/ 入院と闘病生活/“左翼活動家"との葛藤/再発と入院/家族の死/「たての糸もよこの糸も幾重にも結んで」 第II部 在日コリアンと精神障害における社会環境的要因 1.在日コリアンの現在と歴史 在日コリアンとは 在日コリアンと呼称 在日コリアンと社会的距離 在日コリアンの歴史とアイデンティティ 2.在日コリアンとストレス 在日コリアンと自殺率 実態調査から ヘイトスピーチとストレス モラルハラスメント化する差別 人種主義とストレス 在日コリアンと精神障害に関する研究 3. 在日コリアンと精神障害における社会環境的要因 マイノリティと精神障害 インボランタリーマイノリティとしての在日コリアン 移住の経験と周辺化 差別とトラウマ 社会経済的要因 スティグマとパッシング マージナル・マンと複合的アイデンティティ 地域コミュニティと孤立化 「在日」の政治性と民族共同体 クリニカル・バイアス あとがき 参考文献 出版社からのコメント 4つのライフヒストリーやアンケート調査等にあらわれた「在日コリアンの声」から、 可視化されにくい在日コリアンにおける精神障害の発症原因やその様相を浮き彫りにする。 内容(「BOOK」データベースより) 地域社会から孤立した生活を送っていたAさん、在日であることを隠し続けたBさん、日本人との「ハーフ」であり、セクシュアルマイノリティでもあるCさん、日本、韓国、朝鮮の政治状況に翻弄されたDさん。4つのライフヒストリーやアンケート調査等にあらわれた「在日コリアンの声」から、可視化されにくい在日コリアンにおける精神障害の発症原因やその様相を浮き彫りにする。 著者について 金 泰泳(井沢泰樹) 東洋大学社会学部教授 続きを見る
以下は、在日コリアンと精神障害―ライフヒストリーと社会環境的要因に関する最も有用なレビューの一部です。 この本を購入する/読むことを決定する前にこれを検討することができます。
在日コリアンという「マージナル」な存在のうち、メンタルの不調を抱える者を分析対象とする一冊。いわば、「マイノリティ内のマイノリティ」「二重三重のマージナル・マン」(著者)を扱っている。在日コリアンのアイデンティティに関する社会・人文科学的業績は多い。だが、在日性にくわえ、別の障がいやメンタルの不調を抱える者については、等閑視されやすかった。そこにスポットを当てた本書の意義は大きい。他方で、難点もある。本書は、社会学者が、「一生懸命」精神医学ほかの業績を参照・紹介し、四つのライフヒストリーを読み解く。だが、専門的知見の披露が先行してしまい、病に至った側面の分析がきわめて浅いと思われた。つまり、欧米のエスニック・マイノリティの精神障がいについては読者としてよく勉強できるのだが、肝心の在日コリアンの症例の検討・分析がすこぶる弱いのだ。本書で検討される、在日コリアンのメンタルの不調における社会環境的な要因といっても、多くは従来の人文・社会学的指摘をもとに予測されやすいものである。何も、精神医学の専門的知見やタームを持ち出すほどではないと思われた。このため、前半のライフヒストリーの叙述と、後半の精神医学の側面からの検討が、うまく接合していない。かつ重大なのは、彼・彼女のメンタルの不調が本当にエスニック・マイノリティ性からもたらされたものかが極めて曖昧な点だ。とはいえど、冒頭に述べた通り、エスニシティ+別のハンディを扱った本書の意義は大きい。文章もこなれていて、読みやすい。著者の問題意識は鮮明だし誠実であるから、その点も読者は好意的に受け入れられるだろう。著者には、この先駆的業績をベースに、さらなる考察・分析の深化を切に期待したく思う。それが先駆者としての責任であろう。
0コメント